Hospitalist(ホスピタリスト)2014年1号

特集:腎疾患
  • 入院患者がますます複雑多様化する現代において、最新の医学知識のみならず、心理面・社会面を含めた、幅広い知識とエビデンスに基づく全身管理を提供する必要がある。
  • そこで、病院医療の中心にあって、患者のベストなアウトカムへ向け、患者・家族・コメディカルをリードし、専門科をコンダクトしていく病棟ジェネラリスト=ホスピタリストが、今求められている。

  • 本誌では、患者を総合的に診るために、日常臨床でホスピタリストに求められる知識・能力、加えて専門科との真の協働を可能にすべく、そうした知識・能力の裏付けをも提示。

  • メインの特集では、疾患別にテーマを選び、診断のストラテジー、専門科へのコンサルトのタイミングなど、臨床の場での“ものの考え方”を具体的な症例も交えて解説。エビデンスに基づいた世界標準の医療を示し、豊富なリファレンスで幅広い知識を提供。

  • また、これらの知識・能力を、それぞれの地域における病院の果たす役割、状況にあわせて応用していく力、日本型ホスピタリストの真価となる“応用力”を培う。

  • 対象読者は、ホスピタリストを志す(後期)研修医をコアとし、総合内科・各科専門医をはじめ、これからの日本の医療を担い支えようとする医学生。




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¥5,060 税込
責任編集: 赤井 靖宏 奈良県立医科大学 臨床研修センター 平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
ISBN
978-4-89592-937-0
刊行年月
2014/3/1
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腎疾患管理に必須の基本事項
1. 腎機能評価:適切な推算式でGFRを評価する
  上原 圭太・安田 隆 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 腎臓・高血圧内科
2. 尿検査:腎疾患評価の基本
  今井 直彦 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 腎臓・高血圧内科
3. 画像診断:腎疾患で有用な検査と画像所見
  山本 亮・伊東 克能 川崎医科大学 放射線医学(画像診断1)

急性腎傷害(AKI)
4. AKIの特徴と鑑別診断:AKIの多様性を知り,原因疾患に迫る
  山下 徹志・土井 研人 東京大学医学部 腎臓内分泌内科/東京大学医学部附属病院 集中治療部
[コラム] AKI管理概論:systematicなアプローチが必須
  北村 浩一・平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
  鈴木 利彦 東京ベイ・浦安市川医療センター 腎臓・内分泌内科
5. AKIの予防と治療戦略:最新のエビデンスに基づいた最適な治療選択
  井澤 純一 東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
6. AKIにおける腎代替療法(RRT):各モダリティとその施行方法
  浦江 聖也・柴垣 有吾 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科
7. 造影剤腎症(CIN):高リスク患者の把握が重要
  神尾 恭弘 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
  平岡 栄治
[コラム] 心腎症候群(CRS):急性心不全から急性腎機能障害をきたすCRS type1を中心に
  宮内 隆政 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
  筒泉 貴彦 練馬光が丘病院 総合診療科
[コラム] 急速進行性糸球体腎炎(RPGN):発症早期にRPGNを想起することが重要
  鮫島 謙一 奈良県立医科大学 第1内科

水・電解質異常の管理
8. ナトリウム異常の診断と治療:転ばぬ先の輸液補正
  田川 美穂 京都桂病院 腎臓内科
[コラム] CSWSとSIADHの鑑別:腎臓専門医を悩ます低ナトリウム血症鑑別
  赤井 靖宏 奈良県立医科大学 臨床研修センター
9. カリウム異常の診断と治療:ポイントは摂取量・分布・排出量
  長浜 正彦 聖路加国際病院 腎臓内科
10. カルシウム,リン,マグネシウムの異常:多彩な病態で異常が起きる
  三枝 孝充 South Carolina医科大学 腎臓内科
11. 酸塩基平衡異常の診断と治療:酸塩基平衡への苦手意識を克服する
  龍華 章裕・志水 英明 中部ろうさい病院 腎臓内科

慢性腎臓病(CKD)
12. CKDにおける心血管病(CVD)リスク管理:ワンポイントの腎機能測定値のみならず変動にも留意
  小原 まみ子 亀田総合病院 腎臓高血圧内科
13. CKD患者における薬物投与のコツ:過剰・過少投与による治療の失敗を念頭に患者の経過を注意深く追う
  金城 紀与史 沖縄県立中部病院 総合内科
14. 末期腎不全に対する腎代替療法(RRT):導入のタイミングと治療法選択
  小松 康宏 聖路加国際病院 腎臓内科
15. 腎生検と腎臓専門医紹介のタイミング:正しい知識で正しい判断を
  赤井 靖宏
[コラム] ネフローゼ症候群:蛋白尿と浮腫を主体とした病態へのアプローチ
  小山 勝志 刈谷豊田総合病院 腎・膠原病内科
[コラム] ネフローゼ症候群をきたす主要な糸球体腎炎:ネフローゼをみたらこんな腎炎を疑え
  赤井 靖宏
[コラム] 透析患者が入院してきたら:救急・周術期管理のポイント
  山口 通雅 洛和会音羽病院 腎臓内科
[コラム] 透析患者の周術期リスク管理:最新のエビデンス
  津久田 純平 東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科
  平岡 栄治
[コラム] uremic bleeding:尿毒症患者における出血傾向の特徴
  内藤 貴基 東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科
  平岡 栄治
[コラム] 腎移植後患者の入院診療:ホスピタリストが理解しておくべき基本的な考え方
  塚原 知樹 豊見城中央病院 腎臓内科
[コラム] 腎移植後の感染症:移植に伴う免疫抑制と好発感染症の理解
  森川 大樹 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
  藤谷 茂樹 東京ベイ・浦安市川医療センター/聖マリアンナ医科大学 救急医学
[コラム] 腎移植後維持免疫抑制療法に使用される薬物:急性期治療では特に相互作用に注意
  河原﨑 宏雄 稲城市立病院 人工透析科
[コラム] 腎疾患における栄養:栄養管理は腎疾患管理に必須
  宮内 隆政・平岡 栄治
  鈴木 利彦

解説:ホスピタリストに必要な腎疾患の知識とは?
  赤井 靖宏

2021-01-29

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

132ページ:MEMO「CaSRの遺伝子異常」

(誤)
CaSRの遺伝子変異により機能が亢進した病態で,常染色体優性遺伝性副甲状腺機能低下症autosomal dominant hypoparathyroidism があるが,治療にはCaSR受容体作動薬シナカルセトが有効である。一方,遺伝子変異により機能が低下した病態が家族性低Ca尿性高Ca血症familial hypocalciuric hypercalcemia(FHH)であるが,calcilyticsA)とよばれるCaSR受容体拮抗薬(研究段階)が市販化されれば治療選択肢になるかもしれない

(正)
CaSRの遺伝子変異により機能が亢進した病態で,常染色体優性遺伝性副甲状腺機能低下症autosomal dominant hypoparathyroidism があるが,calcilyticsA)とよばれるCaSR受容体拮抗薬(研究段階)が市販化されれば治療選択肢になるかもしれない。一方,遺伝子変異により機能が低下した病態が家族性低Ca尿性高Ca血症familial hypocalciuric hypercalcemia(FHH)であるが,治療にはCaSR受容体作動薬シナカルセトが有効である

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