Chapter 1 脳のMRI診断法
Chapter 2 脳のMRI撮像法
Chapter 3 脳腫瘍
Chapter 4 脳血管障害
Chapter 5 感染症
Chapter 6 脱髄性疾患
Chapter 7 代謝性疾患
Chapter 8 脳神経疾患
Chapter 9 外傷と関連疾患
Chapter 10 変性・精神疾患
Chapter 11 脳脊髄液関連疾患
Chapter 12 新生児・小児疾患
Chapter 13 てんかん
Chapter 14 神経皮膚症候群
奇跡かもしれない。「脳のMRI」が上梓されることになった。本書のお話しを頂いたのは、2013年春のことであった。「脳脊髄のMRI」の改訂ということではなく、脳に特化した新しいMRIの本をお願いしたいというのである。当時、脳や脊髄のすばらしい成書が相次いで出版されていた。私にはそれらを超える成書など夢想だにできず、しばらく沈思黙考の日々を送ることになった。ある時、ふと「定期的に改訂できる成書にすれば、存在価値があるのではないか」と思い至った。というわけで、次回以降の改訂版の編集者代表になることを前提に、3名の方に編集をお引き受けいただいた。興梠征典先生、三木幸雄先生、山田惠先生である。本書は5~6年に一度、少なくても3回は改訂が行われることになるであろう。
さて、本書である。どうせ本を作るなら読んでもらえる本にしたい、とかねがね思っていた。医学書などの科学的な成書では難しいことだとはわかっていたが、昔は、胸部と言えばFelsonの教科書だったし、脳であればTaverasやNewton and Pottsの書であった。わからないなりに通読した(させられた?)記憶がある。そこで、本書では執筆者二を蘊蓄(うんちく)披露してもらうことにした。まだ証明されてはいなくても、「私はこうして診断している」といったことをそのまま記載していただいた。単なる絵合わせにとどまらず、読影の原理原則をお伝えしたいと思ったからである。初学者から専門家まで、是非各項目の最初、疾患の始めの部分だけでも通して読むことをお勧めしたい。まだまだ不十分なところがあるし、もしかすると後日誤った記載であることが判明するかもしれない。医学の発展に免じてお許し頂きたい。もう一つの特徴は、わかりやすい記述を心がけたことである。内容を理解しやすくするために、項目ごとに関連する解剖学的事項を記載することにした。また、執筆者にはシェーマの活用をお願いし、MRIで何がわかり、MRIに何が求められているのかをわかりやすくまとめていただいた。
執筆者の方々には、編集代表者のわがままに快く応じて頂いた。今、本書を読み返してみて、少しは読んで楽しい書に仕上がったのではないかと自負している。執筆者に恵まれたことに感謝するとともに、編集者を代表して執筆者各位に心より御礼申し上げる。予想をこえる大著になってしまったが、内容的に脳血管障害、脱髄性疾患、代謝性疾患、変性・精神疾患などの解説は類をみないほど充実している。本書が、放射線科医だけでなく実際に脳の診療に携わる脳神経外科医や神経内科医、精神科医、そしてこれから脳を勉強しようという研修医や臨床実習生、実際のMRIを撮像する放射線技師のお役に立てることを心より願う。はじめに述べたように、本書は今後定期的に改訂される予定である。より良い書とするためにも是非読者の方々からご批判、ご意見をお願いしたい。最後に、発刊を目前にして、メディカル・サイエンス・インターナショナルの正路修氏に心より感謝申し上げる。
2015年3月
編集者代表 細矢 貴亮
2015-05-08
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