がん診療ポケットレファランス

プロフェッショナル専用
がん診療最強の備忘録
近年脚光を浴びている米国のがん専門病院、スローン-ケタリング記念がんセンター(MSKCC)の医師による、「ポケレフ」シリーズ第5弾。 がんに関わる基礎から薬理学、緩和ケアなどをテーマとした総論から、部位別の各論まで、がん診療全体を網羅。見開き完結を基本とし、箇条書きにて簡潔かつコンパクトにまとめる。がん診療に関わる医師、研修医にとって最強、最適な備忘録。
¥4,950 税込
監訳:畠 清彦 公益財団法人 がん研究会 有明病院血液腫瘍科 部長
ISBN
978-4-89592-859-5
判型/ページ数/図・写真
B6変 頁360 図89
刊行年月
2016/5/30
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1 腫瘍学総論
2 臨床試験の方法
3 放射線腫瘍学
4 がんの生物学
5 分子診断
6 がん免疫生物学
7 がんの遺伝学
8 がん薬理学
9 がんの合併症
10 疼痛と緩和医療
11 癌サバイバーシップ
12 感染症
13 泌尿生殖器悪性腫瘍
14 胸部悪性腫瘍
15 消化管癌
16 皮膚癌と肉腫
17 頭頸部の悪性腫瘍
18 内分泌悪性腫瘍
19 婦人科悪性腫瘍
20 乳癌
21 神経腫瘍
22 原発不明癌
23 リンパ腫
24 形質細胞疾患
25 骨髄増殖性疾患
26 白血病および骨髄異形成症候群
27 幹細胞移植
28 良性血液学
カラーサンプル図
付録

監訳者序文

 今回,スローン-ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center:MSKCC)の医師たちによって著されたマニュアル,“Pocket Oncology”を翻訳できる機会を得たことは大変な喜びでした。スローン-ケタリング記念がんセンターは,その名前の通り,寄付をされた方々によって資金が提供され設立された,米国ニューヨークにあるがん専門病院です。しかし臨床のみならず,基礎研究やトランスレーショナルリサーチでも非常に有名で,日本だけでなくヨーロッパの方々にとっても,留学や研修する憧れの病院でもあります。また,エスタブリッシュされた専門家がこの2 ~ 3年間に次々にテキサスやボストンから異動しており,大きなアクティビティを有している施設です。そこから生まれた本書には,「こんなに小さなマニュアルによくまとめられたな」と思うくらいの内容が詰まっています。もちろん完成した時点で内容が過去のものとなるのは本が持つ宿命ですが,内容は若手が押さえておかなければならないものをよくまとめてあると思います。
 なお,翻訳はがん研究会有明病院の先生方をはじめ,がん研で研修していった多くの先生方,その他の先生方のご尽力により完遂しました。この場を借りて,お礼を申し上げます。

● おすすめの使い方
患者への説明に何か忘れていないか?検査で思い込んでいることはないか?などという時にちょっと確認したりするといいでしょう。幸い非常に小さく作成されています。原則,原書に忠実に翻訳してあります。日米における薬剤承認の違いや,日本の特性・適応などは,書き込んでいって使用されるといいでしょう。

公益財団法人 がん研究会 有明病院血液腫瘍科 部長
がん化学療法センター臨床部 部長
畠 清彦



原書初版刊行によせて

『がん診療ポケットレファランス(Pocket Oncology)』初版をここに紹介できることをうれしく思う。本書はがん患者マネジメントのためのハンドブックであり,腫瘍科・血液科の研修医や臨床医にとって要点を押さえたレファランスとなるように作られている。がんマネジメントや合併症に関する情報が絶えず増え続ける中で,それを短い章に濃縮し,重要な生物学的概念や管理の考え方を浮き彫りにしている。
 本書はがんの生物学,遺伝学,診断,病期分類,治療,臨床試験の方法と規制,疫学,予防とスクリーニング,支持療法といった多くのトピックに触れている。多少言い過ぎかもしれないが,がん診療の現場で遭遇する臨床上の疑問や日常的に使われる治療法,そして現在治療を行っている患者や終末期の患者,がんサバイバーの支持療法などについてすぐにたどり着くことのできるポケットレファランスに仕上がっていることと思う。
 本書の執筆者はスローン-ケタリング記念がんセンターのレジデント,フェロー,指導医である。診療所や病院での日常の臨床判断を助けるエビデンスや,その基盤にある生物学的原理にすぐにアクセスできることを願っている。
 読者からのご意見を楽しみにしている。それをもとに,本書をよりよいものへと磨きをかけていきたい。

George J. Bosl, MD
Chair, Department of Medicine
Patrick M. Byrne Chair in Clinical Oncology
Memorial Sloan-Kettering Cancer Center



原書序文

 ここに『がん診療ポケットレファランス(Pocket Oncology)』初版を紹介できることに高揚感を感じている。本書の構想は私たちが腫瘍科の1年目研修医だった頃,広大な腫瘍学を学ぶために手強い挑戦をしていたときに生まれてきた。それぞれが独特な腫瘍の一般的な原理を整理するにはどうすればよいのだろうか? 各疾患の要約を一括して得るには,何を参照すればよいのだろうか? 私たちの指導医はそれぞれの専門領域について詳細に記述していたが,彼らが最も重要だと考えていることは何だろうか?
 このハンドブックではこれらの疑問に対する答えを提供することを試みている。教科書は優れた総合的な情報源だが,携帯電話のメールやツイートの時代には要約された信頼できる情報がみつけられる簡潔な情報源が必要とされていることに私たちは気がついた。腫瘍医や研修医,腫瘍ケアチームのメンバーはいつも忙しくしていることはよく理解している。白衣のポケットの中にさっと手を伸ばせば概略が理解できるということは決定的な意味をもつ。
 私たちは本書を,血液学・腫瘍学をカバーする28の章に分けた。そしてさらにそれらを,特定の疾患や考え方を扱う135の見開きページに分割した。図表もすぐに参照できるよう見開きページに含まれている。さらに,臨床上欠くことのできないカラー写真の章と付録の章を加えた。
 がんはあまりにも複雑な疾患で,そのすべてをハンドブックの大きさに要約することはできない。臨床上の判断や各分野の細部の理解には,他の文献を参照したり専門家の助言を求めることが必要である。『がん診療ポケットレファランス』はすぐに参照できるレファランス,教育上の指針となることを意図しており,そのために役立つ情報を,原著論文などのもっと確実な情報源を参照するまでの間,提供する。臨床上の判断をよくすることや,決定に影響を与えることを意図しているわけではない。
 本書は一般的ながん領域の医療従事者やその研修中にある人にとって重要な情報に重きを置いて作られている。各章はレジデント,フェロー,薬剤師によって執筆され,指導医によって記述が正確か,あるいは見落としがないかがチェックされている。
 本書の完成にご尽力をいただいたスローン-ケタリング記念がんセンターの全ての執筆者に感謝を申し上げたい。また,本書に助言をいただき,Dr. Dean Bajorin によるフェローシッププログラムの対象となることを支援していただいたDr. Lee Krugに特にお礼を申し上げたい。本書に対してご意見・ご提案があれば,出版社を通して遠慮なく知らせていただきたい。あなたにとって本書が役立つものとなれば幸いである。

Alexander E. Drilon,Michael A. Postow

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