救急ポケットレファランス

研修医・プロ兼用
救急診療最強の備忘録
内科・麻酔科・ICU・プライマリケア・がん診療に続く、シリーズ第6弾。循環器系を中心とした喫緊の救命セッティングのほか、外傷/産婦人科/小児/眼・鼻・耳/中毒などを幅広くカバー。救急外来を受診する患者像に忠実に、各状況下での診断・治療・方針決定を、箇条書きで簡潔に解説。コンパクトサイズながら群を抜く情報量で「クリニカル・パール」も満載。救急当直はもちろん、総合診療領域に関わる医師・研修医にとっても頼れるレファランス。

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『救急ポケットレファランス』電子版

¥4,620 税込
原著タイトル
Pocket Emergency Medicine, 3rd Edition
監訳:北野夕佳 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院救命救急センター
ISBN
978-4-89592-863-2
判型/ページ数/図・写真
B6変 頁328 図11
刊行年月
2016/8/31
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1 循環器
2 呼吸器
3 消化器
4 感染症
5 神経
6 腎尿路生殖器
7 産婦人科
8 皮膚科
9 内分泌・代謝
10 環境に起因するもの
11 血液・腫瘍
12 筋骨格系・リウマチ
13 耳鼻咽喉科・歯科・眼科
14 小児
15 精神疾患
16 中毒
17 気道管理
18 外傷
A 付録・略語一覧
索引

監訳者序

 本書の邦訳を刊行する目的は,ひとことで「患者利益」だと思う。救急医がカバーすべき領域は膨大である。また,1年365日24時間の救急診療をまかなうのに,救急を本業とする医師だけではなく他科の医師の応援・協働が不可欠なのは,日本全国どこでもみられる情況であろう。
 本書の姉妹編である“Pocket Medicine”は,私の米国内科レジデンシー時代の,文字どおりバイブルであり,余白に必要な追加情報を書き込み,擦り切れるまで使用した戦友である。これほど簡潔に,かつ(すべて覚え込むのは不可能な)必要不可欠な情報をここまで網羅的に詰め込んだマニュアル本にはなかなか巡り逢えない。本書“Pocket Emergency Medicine”もその特徴を共有し,内因性疾患のみならず,外傷/産婦人科/小児/眼・鼻・耳/中毒など,いっそう広い領域をカバーしており,救急外来・当直の現場で,速やかに(speedily),抜けなく安全に(being thorough),初療/診断/治療/方針決定を行うために必要な「簡潔な医学知識」=「一般論(general rules)」=「型」が凝縮されている。
 さらに,今回の邦訳では,読者の救急外来での3分間を節約することを目的に,日本の診療状況に合わせた監訳を施すよう努力した。原書記載の治療薬の剤形について,日本には内服薬のみで静注薬がないものなどを,訳注でその旨注記したのはその一例である。また,救急外来で重症対応中に読者が思い悩むことのないよう,多義的に取られかねない原書の記述には,意を取って適宜言葉を補い,迷うことなく一義的に読み取れるようにした。
 邦訳作業にあたっては,これまで一緒に働いてきた多くの医師に,訳者・校閲者としてご協力いただいた。こんなにも多くの素晴らしい後輩,同僚,上司に巡り逢えたことを,改めて感謝している。今岡聡氏はじめメディカル・サイエンス・インターナショナル編集部の皆さんには膨大な作業を支えていただいた。出版社という,私たちが普段直接は顔を合わせることのない場所に,医療の同志がいることを知った。
 訳文は訳者・校閲者・編集部で入念なチェックを行い,私自身も文字どおり1行も飛ばさずにすべてを2回校閲した。それでも,解釈に悩んだり,不正確と思われる記載を,読者が見つけられることもあるだろう。いったん上梓してしまえば完成・終わりではない。お気付きの点があれば,版元のホームページ(www.medsi.co.jp/inquiry/)からご連絡いただきたい。最終目標は患者利益である。版を重ねるごとに,より良い,より安全な医療につながる『救急ポケットレファランス』にしてゆけるよう,読者の協力を切に期待している。

 孤独な救急当直を戦うお会いしたことのない日本全国の同志に,また救命しうる可能性のある患者の明暗に,本書が何らかの助けになれば,この上ない喜びである。

2016年7月25日午前2時

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院救命救急センターにて
北野夕佳



原著序

 かつてWilliam Osler卿はこのように述べた。「書物なしに医学を学ぶ者は海図のない海を航海するようなものだ。しかし,患者なしで医学を学ぶ者は,そもそも海に漕ぎ出さないのに等しい」。救急医療はスリルに富んだ特殊な領域である。そこに携わる者には,卓越した能力と広範な知識の蓄え,つまり疾患や外傷の型,様々な診断法と治療法の全体像を理解していることが求められ,そのうえ,生命の危機に瀕した患者を前に,それをベッドサイドでリアルタイムに発揮しなければならない。だから私たちは本書を,忙しい医師や研修医,フィジシャンアシスタントやナースプラクティショナー,学生にとっての救命ボートとなるように設計した。
 従来の多くの教科書とは違って,私たちは,診断名別ではなく,病態のおかれた状況を中心に据えて章立てを行った。したがって,本書は救急外来を受診する患者像を忠実に表すことになり,そこから適切な診断と治療的介入ヘといたる思考プロセスが得られるようになっている。各章は,特定の病態への一般的なアプローチから始まり,続いて,重要な診断カテゴリーに関して簡潔に解説し,診断に欠かせない重要な病歴や身体所見,検査,特異的治療について明快に述べてある。また,随所に箇条書きの「クリニカル・パール」を挿入し,重要な臨床所見を強調したり,起こりがちな臨床上のミスを警告しておいた。
 本書の執筆は,Denver Health and Harvard Affiliated Emergency Medicine Residency Programに在籍している,優秀な救急医療のレジデント・チームが担当した。彼らは,忙しい救急医療従事者に直ちに必要となる知識は何か,ということを指標にして,各トピックについて労を惜しまず調べ上げた。各章は,コロラド大学救急医学講座,ブリガム アンド ウィメンズ病院およびハーバード大学医学部の経験豊富な救急医学指導医チームが編集にあたった。本書の編者らは,臨床・医学教育それぞれの現場で25年に及ぶ救急医療の経験を積んでおり,本書が正確で完備された内容をもつことは保証する。救急医療の現場で働く人々にとって最高に役立つクイック・レファランスになっていることに,きっとうなずいていただけることと思う。

Richard D. Zane, MD
Joshua M. Kosowsky, MD

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