ハリソン物語

Beesonの回想 Paul Beeson

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私は,編者と執筆者のために特別に製本された,金色の表紙の『ハリソン内科学』初版を持っている。この特別版には,ユタ大学の「ウルフ・システム」について説明する,以下のような特別な序文がついている。

特別版への序

一般には販売されず,執筆者や校閲者として本書の制作に関わった人々にBlakiston 社から配布される本書には,通常版のような遠慮がちで形式ばった序などは不要だろう。

本書のために採用されたユニークな批評方式は,ユタ大学のグループによってはじめられた。それは,基礎科学者,経験を積んだ臨床医,レジデント,フェロー,医学生など,さまざまな背景や経験を備えた複数の校閲者による,この上なく率直な意見の表明である。構成や事実関係の正確さという点では,あらゆる校閲者の意見が役に立ったが,説明を分かりやすくするという点では,特に医学生の意見が参考になった。各章に対する意見は,「この章はこれでよいのか?」という形ではなく,「この章をもっと良くするためにはどうすればよいのか?」という形で提起された。この完璧主義者的な方式は,後に他の編者にも広がり,『ハリソン』の質の高さに大きな貢献をすることになった。