好評「麻酔科臨床の書」の続編として雑誌「LiSA」に連載されたケーススタディを単行本化。心臓手術の麻酔に関する基本的な11症例を通し、周術期患者管理の全体像が把握できる。単行本化に際し、心臓手術とその麻酔の流れの全体像を示す序章と、基本的なエコー図と心機能評価を解説した経食道心エコー総論を追加。麻酔科医と心臓外科医が共通認識とすべき知識を提示。加えて心臓外科チームのガイドラインとしても有用。
序章:心臓手術とその麻酔の流れを理解する
コラム1:急速輸液・輸血と微量点滴
症例1:大動脈弁狭窄症(AS)に対する人工弁置換術
臨床メモ1:AS に伴う失神
臨床メモ2:狭心症のCanadian Cardiovascular Society(CCS)分類
コラム1:人工弁サイズの決定法
コラム2:PPMの評価
コラム3:AS症例のvon Willebrand因子
コラム4:CABG患者におけるAS
症例2:僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する弁形成術
臨床メモ1:心エコーによるMRの術前重症度評価
臨床メモ2:僧帽弁形成術後のSAM
コラム1:三尖弁逆流症(TR)に対する手術適応と術中経食道心エコー(TEE)評価
コラム2:僧房弁の麻酔科的terminology
コラム3:両弁尖逸脱によるMRに対するTEE評価
症例3:心房中隔欠損症(ASD)に対するパッチ閉鎖術
臨床メモ1:麻酔科医と先天性心疾患
臨床メモ2:肺血管抵抗値の“単位”
臨床メモ3:ASDに合併しうる心大血管系の奇形,異常と左上大静脈遺残
臨床メモ4:ASD手術の際に用いられるさまざまなアプローチ法とそのメリット,問題点
症例4:左心機能低下を伴う冠動脈3枝病変に対する心停止下
コラム1:PCIと末梢塞栓
コラム2:糖尿病患者のIHD
コラム3:競合とやせ現象(string sign)
コラム4:動脈グラフトの重要性と問題点
コラム5:Allenのテスト
コラム6:経食道心エコー(TEE)と冠静脈洞への心筋保護カニューレ
症例5:急性A型大動脈解離に対する上行大動脈人工血管置換術
コラム1:逆行性脳灌流法
コラム2:脳酸素飽和度測定
コラム3:アプロチニン
コラム4:凝固障害に対するFFPとフィブリノゲン製剤の投与
症例6:狭心症に対する人工心肺を用いない心拍動下冠動脈
コラム1:OPCABの歴史と現状
コラム2:OPCABの麻酔法
コラム3:術前の抗血小板薬投与
コラム4:OPCABとSwan-Ganzカテーテル
コラム5:ニトログリセリンとカルシウム拮抗薬の使用は?
コラム6:OPCAB中の心拍出量モニタリング
コラム7:OPCABと拡張機能障害
コラム8:CABGと術中TEE
症例7:僧帽弁狭窄症(MS)に対する人工弁置換術
コラム1:MVRとPPM
コラム2:術中TEEと麻酔指導医の役割
コラム3:弁置換後の術中TEEによる評価と3D TEE
症例8:胸腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術
コラム1:porcelain aorta
コラム2:チューブ入れ替えのコツ
コラム3:DLTの術後使用
コラム4:分離換気:DLTか気管支ブロッカーか
コラム5:永久気管切開口からの分離換気
コラム6:肋間動脈などの同定とクランプテスト
コラム7:胸腹部大動脈瘤の手術にはカテーテルを用いた持続傍脊椎ブロック コラム8:全静脈麻酔(TIVA)による麻酔維持
症例9:大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対する自己大動脈弁温存手術
コラム1:大動脈弁形成術
コラム2:ARの手術適応
コラム3:vasoplegic syndrome
コラム4:AVSOと術中TEE
症例10:急性心筋梗塞後心室中隔穿孔に対するパッチ閉鎖術
コラム1:下行大動脈への順行性IABP挿入
コラム2:バルーンの容量と低身長患者用のバルーン
コラム3:CPB離脱時の工夫
症例11:急性肺血栓塞栓症に対する直視下血栓摘除術
コラム1:臨床検査技師のつぶやき
コラム2:右心機能障害の治療
2020-06-15
【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。
242ページ 図4-f 図中文字
(誤)SLTV
(正)ALTV
242ページ 図4-f 説明文
(誤)三尖弁では画面上方が前尖,下方が中隔尖となる。
(正)三尖弁では画面上方が後尖,下方が前尖となる。
2017-06-14
【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。
2013-10-29
265頁・3行目,269頁・右段Mの項・4つ目,270頁・左段あ行3つ目
(誤)Motion
(正)Myocardial
2011-10-24
15ページ,症例1の提示症例内 2行目
(誤)労作事呼吸困難
(正)労作時呼吸困難
2011-06-09
103ページ,コラム4の右段上より6行目
(誤)
「フィブリノゲン値を10mg/dL上昇させるためには,FFPが1単位程度必要である。例えば,100mg/dL上昇させるためにはFFP 10単位が必要であり,これは1200 mLの容量負荷ともなる。」
(正)
「フィブリノゲン値を10mg/dL上昇させるためには,FFPが2単位必要である。例えば,100mg/dL上昇させるためにはFFP 20単位が必要であり,これは2400 mLの容量負荷ともなる。」