うつ病、躁うつ病(双極性障害)などを含む精神疾患である気分障害は、診断の難しさから、治療が奏功せず病状が遷延・悪化する場合も少なくない。本書は気分障害をしっかりと診断した上で、適切な治療を行うための知識をコンパクトにまとめた一冊。症状に対して漫然と行われる対症療法的な薬物治療を否定し、疾患そのものを治療すべきという著者の哲学に貫かれた内容。精神科医や心療内科医、それを目指す研修医をはじめ、患者の増加に伴い診療の機会が増えつつある一般内科医、プライマリケア医にも有用。
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第I部 診断
1 気分障害の診断と記述
2 単極性うつ病スペクトラム
3 双極性障害
4 双極スペクトラム
第II部 基本原理
5 ヒポクラテス的精神薬理学をめざして
6 遺伝と環境
7 気分安定薬とは,抗うつ薬とは何か:その定義を考える
第III部 単極性うつ病の治療
8 単極性うつ病の治療原則
9 モノアミン酸化酵素阻害薬と三環系抗うつ薬
10 非定型抗うつ薬
11 セロトニン再取り込み阻害薬
12 難治性うつ病の治療戦略
第IV部 双極性障害の治療
13 双極性障害の治療原則
14 リチウム
15 バルプロ酸とカルバマゼピン
16 新規抗てんかん薬
17 非定型抗精神病薬
18 抗うつ薬一般
19 難治性双極性障害の治療戦略
20 双極性障害の急速交代型
第V部 周辺分野あれこれ
21 子供の気分障害とADHD
22 気分障害の精神療法
23 高齢者
24 統合失調感情障害の謎
第VI部 臨床家と家族へ
25 臨床医のための気分障害面接ガイド
26 気分障害患者の家族に向けて:援助の手引
付録A 双極スペクトラム診断尺度
付録B 気分障害向け初診カルテ様式