CTやMRIの正常解剖をコンパクトにまとめた定評あるアトラスの筋・骨格系編、10年ぶりの改訂。本書ではMRIに特化し、1・2巻と同様、身体各部位ごとに高精細MR画像写真とポイントを彩色したシェーマを見開き一頁の中で対比させており、複雑な解剖構造を容易かつ正確に認識できる。改版にともない、炎症や腫瘍などの病変理解に有用な関節近傍部位の画像やシェーマが大幅に追加され内容はさらに充実。放射線科医・技師の必携書として、研修医、整形外科医の読影の参考書として最適。
上 肢
上肢 軸位断
肩 冠状断
肩 矢状断
上腕 冠状断
上腕 矢状断
肘 冠状断
肘 矢状断
前腕 矢状断
前腕 冠状断
手 冠状断
手 矢状断
下 肢
下肢 軸位断
股関節 冠状断
股関節 矢状断
大腿 冠状断
大腿 矢状断
膝 冠状断
膝 矢状断
下腿 冠状断
下腿 矢状断
足 冠状断
足 矢状断
脊 椎
脊椎 矢状断
頸椎 矢状断
頸椎 冠状断
頸椎 軸位断
胸椎 矢状断
胸椎 軸位断
腰椎 矢状断
腰椎 冠状断
腰椎 軸位断
仙骨
監訳者序文
本書は『CT・MRI画像解剖ポケットアトラス』第3巻の改訂版である.内容は旧版と同じで,「脊椎・四肢・関節」である.旧版との違いは,著者らも述べているように,関節近傍の部位に焦点を当て,上腕・前腕・大腿・下腿全体の二方向画像とイラストを第3版の画像に新たに加えたことにある.そのため,さらにボリュームを増し,480ページに及ぶアトラスとなり,小さいポケットに入りきらないくらい充実した内容になった。読影端末や机の上に置いて,適宜参照していただければと思う.
本シリーズの特徴は何といっても,断層画像とそれに対比するイラストにある.イラストは臓器別に色分けされ,複雑な解剖をわかりやすく表示している.このため読者は複雑な解剖構造を容易にかつ正確に認識することができるであろう.各スライスには撮像レベルを示す小さなシェーマがついており,実際の画像との対比が容易となるように工夫されている.一枚のイラストには多数の引出線がついており,やや煩雑なきらいはあるが,それぞれ重要な構造物であるので,じっくりと画像と見比べていただきたい.
本書には単純撮影とCTが掲載されていないので,骨病変の診断などに若干不便を感じるかもしれないが,適宜姉妹編『X線画像解剖ポケットアトラス』や成書を参照すれば解剖学的知識の整理・習得に一層役立つであろう.本書の作成に尽力された東京共済病院放射線科部長小林有香先生,株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル代表取締役社長金子浩平氏,出版部藤堂保行氏,管野明氏に深謝する.
2018年2月 見ごろを迎えた紅梅に来るべき桜の花を想いつつ
町田 徹
序文
『CT・MRI画像解剖ポケットアトラス』第3巻「筋骨格系のアトラス」は,幸い非常に好評を博し,諸外国で翻訳・出版されていることは大変光栄である.前著が好評であったので,再度本書を改訂しようという動機付けになった.そこで,初版の画像は尊重し,関節近傍の部位に焦点を当て,二方向画像とイラストを追加し,上腕・前腕・大腿・下腿全体画像を網羅した.このようにして,炎症や腫瘍などの骨幹の骨・軟部病変についての理解も十分になるように前回の不足部位を補った.一方,本書の元々の構成はそのまま踏襲した.すなわち,筋肉,血管,神経,その他の構造物を色分けし,高精細MR画像(3テスラ)とイラストを対照させた.こうすることで解剖学的構造の局在を正確にかつ容易に認識できると考えた.
シリーズの他の巻と同様に,多くの助手達の熱意あふれる貴重な助力なしにこの本はできなかったであろう.本書の作成に携わった方々に深謝する.
また,われわれの全MRIグループに最適な画像が撮像できるよう常に的確な助言を与えてくれたCarina Englerと3テスラの画像を撮像してくれたNicole Biggaに深謝する.
この本の読者の皆さんが,私たちが画像とイラストを楽しみながら作ったのと同様に,旧版同様,楽しんで本書を使っていただけることを確信する.
Torsten B. Moeller, MD Emil Reif, MD