INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2020年1号

特集:生理学



Intensivist 誌はエビデンスに基づく集中治療の実践を目指して,教育の基礎となる内容をこれまで特集してきましたが,多くのエビデンスやガイドラインについて,判断の根拠や使用する数値の選択について疑問が生じることがあります。そうした疑問そのものが,実はクリニカルクエスション(clinical question:CQ)である場合があります。そこで,本特集では,医学の基本に立ち返り,それらのCQ について生理学的側面からアプローチします。




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 










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特定非営利法人 日本集中治療教育研究会


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¥5,060 税込
ISBN
978-4-8157-0090-4
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はじめに:生理学を集中治療の臨床でいかすために
植西 憲達 藤田医科大学 救急総合内科
野村 岳志 東京女子医科大学 集中治療科
上田 剛士 洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
田邊 翔太 聖マリアンナ医科大学 救急医学

Part 1.中枢神経系
1.脳圧と脳灌流血流の生理学:脳生理の特殊性を知り,治療に生かす
横堀 將司 日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野/日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
2.脳卒中の生理学:脳卒中に起因する心機能低下は,なぜ生じるのか?
池知 大輔,山下 進 徳山中央病院 救急科
3. 役立つ脳波の生理学:非痙攣性てんかん重積状態の病態生理を考える
江川 悟史 TMGあさか医療センター 脳神経外科

Part 2.呼吸
1.呼吸制御の生理学:ヒトはなぜ呼吸困難を感じるのか?
八幡 えり佳 福井大学医学部附属病院 救急部総合診療部
田邊 翔太 
2.特別な状態での呼吸生理学①:体位による呼吸への影響
池田 貴夫,日比野 将也,植西 憲達 藤田医科大学 救急総合内科
3.特別な状態での呼吸生理学②:高所・水中での呼吸はどう変化するのか?
都築 誠一郎,植西 憲達 藤田医科大学 救急総合内科
4.二酸化炭素の生理学:CO2の動態とモニタリングへの臨床応用
金井 克樹 島根県立中央病院 救命救急科
藤原 辰也 島根県立中央病院 麻酔科
石田 亮介 島根県立中央病院 救命救急科/スタンフォード大学 麻酔科
5.人工呼吸で役立つ肺の生理学:呼吸器系メカニクスを中心に
則末 泰博 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
6.低酸素の生理学:なぜ体温が上昇すると酸素飽和度が低下するのか?
上田 剛士 

Part 3.循環器
①Macrocirculation
1.血圧の生理学①:ICU患者の“拡張期”血圧を考える
出井 真史,野村 岳志 東京女子医科大学 集中治療科
2.血圧の生理学②:心臓の後負荷を知ることができるのか?
太田 圭,野村 岳志 東京女子医科大学 集中治療科
3.酸素供給の生理学:1回拍出量,心拍数,心拍出量,ヘモグロビン濃度から読み解く
山本 良平 京都大学大学院医学研究科医学専攻 医療疫学分野 博士課程
【コラム】Hb低値はどこまで耐えられるのか?:
輸血開始基準は個々の状態に応じて変更できるかもしれない
山本 良平 
4.静脈還流の生理学:静脈還流量を知ることに意味はあるか?
吉田 拓也 日本赤十字社医療センター 救命救急センター
中川 雅史,野村 岳志 東京女子医科大学 集中治療科
5.高拍出性心不全の生理学:病態理解をふまえた原因疾患の治療を
清野 雄介,野村 岳志 東京女子医科大学 集中治療科
②Microcirculation
1. ミクロ循環の生理学:組織灌流におけるミクロ循環の役割とは?
古川 拓,讃井 將満 自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部

Part 4.腎・電解質
1.酸塩基平衡の生理学:なぜpHは7.4なのか?
日比野 将也,植西 憲達
【コラム】細胞内アシドーシスは実際問題となるのか?:対応次第で細胞内環境の悪化もあり得る
日比野 将也,植西 憲達
2.急性腎障害(AKI)の生理学:AKIの原因による臨床像の違いとマネジメント
田川 美穂,江里口 雅裕 奈良県立医科大学 腎臓内科学講座
3.ARCの生理学:ARCでは何のクリアランスが亢進しているのか?
藤井 元輝,安田 英人 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科

Part 5.消化器/肝胆膵/栄養
1.肝代謝の生理学:血中アンモニア濃度の測定に意義はあるのか?
嶋田 圭太 熊本大学大学院 生命科学研究部 小児外科学・移植外科学講座
田中 基彦 熊本大学大学院 生命科学研究部 消化器内科学講座
日比 泰造 熊本大学大学院 生命科学研究部 小児外科学・移植外科学講座

Part 6.血液
1.止血の生理学:出血はどのようにして起こるのか?
香取 信之 東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座

Part 7.体温/感染
1.体温の生理学:その熱は下げるべきか?
志馬 伸朗 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学

Part 8.その他
1.critical careに関連したorgan crosstalk:心腎症候群,肝肺症候群,肝腎症候群
武居 哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部
【コラム】臨床に役立つ偉人たちの法則:Laplace,Hagen-Poiseuille,Bernoulli
田邊 翔太 

連載
■Lefor’s Cornor
第35回:Vascular Access and Hemodynamic Monitoring Part XVI.
Peripherally Inserted Central Catheters for Critically Ill Patients
Riichiro Kanai Department of Intensive Care, Saiseikai
okohamashi Tobu Hospital
Alan Kawarai Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University
Joho Tokumine Department of Anesthesiology, Kyorin University School of Medicine

■え?知らないの?ボルメトリック・カプノグラフィ
〈シリーズ構成:森實 雅司 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉
髙橋 由典 杏林大学医学部付属病院 臨床工学室
■国際学会へ行こう!
ESICM Annual Congress Berlin
小林 絵梨 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
■集中治療に関する最新厳選20論文
吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学
柳井 真知 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

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