岡秀昭流 コンサルトの「極意」
大好評「感染症プラチナマニュアル」の新たなコンパニオンブックが誕生。感染症コンサルテーションに際し心得るべき「極意」を症例ベースで解説。前半で著者がこれまでに経験した症例を通じで会得するに至った7つの「極意」を提示し、後半ではカンファレンス症例を示しつつ、そうした「極意」をどのように活かしてコンサルトに当たったかを説明。感染症科をはじめ、他科とのやりとりに悩む全ての医師に役立つ書。
「感染症プラチナ流コンサルト」メイキング映像ショートVer.
プラチナ流コンサルトの極意
Part 1 総論:レクチャー
はじめに
埼玉医科大学医療センターの感染症コンサルテーション数
コンサルト症例1:いきなりショックの生来健康な女性
プラチナ流コンサルトの極意❶ ベッドサイドへ行き信頼を勝ちとれ
コンサルト症例2:生来健康な女性の不明熱
コンサルト症例3:発熱,血小板減少の男性
プラチナ流コンサルトの極意❷ 総合内科力を鍛えよ
プラチナ流コンサルトの極意❸ 外科感染症の経験値を上げよ
コンサルト症例4:縦隔炎+人工血管感染
コンサルト症例5:CNSシャント感染症
コンサルト症例6:50代の男性の足がものすごく痛いのは筋トレのせい?
プラチナ流コンサルトの極意❹ 日頃から良好なコミュニケーションを構
築せよ
コンサルト症例7:50代の上腕骨の開放骨折後の骨髄炎
コンサルト症例8:肝移植後に繰り返す菌血症
プラチナ流コンサルトの極意❺ 話し合い落としどころを探せ
プラチナ流コンサルトの極意❻ 粘り強くとことん考えろ
コンサルト症例9:不明熱の初老男性
プラチナ流コンサルトの極意❼ 最後は気持ち,感情 アクティブコンサ
ルテーション!
Part 2 応用編:カンファレンス
はじめに
カンファレンス症例1
カンファレンス症例2
カンファレンス症例3
索引
1つ:正しいことを正しいと言えること
1つ:組織の常識と世間の常識が一致していること
1つ:ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価されること
この当たり前のことができない原因は,自分のためだけに仕事をしているからだ。仕事は客のためにするもんだ。これからお前はいろんな相手と戦うことになるだろう。だがな,最初の敵はいつも自分自身だ,勝敗は時の運だが,決して自分の構えを崩すな
このたび,『感染症プラチナマニュアル』の関連書籍として,感染症コンサルトの極意を症例ベースで解説した書籍を書きました。
冒頭は半沢直樹の有名になったセリフです。残念ながら,半沢ワールドをそのまま持ち出して戦ってしまうと,しっぺ返しを喰らうのがリアルワールドです。
私も今でこそ,たいへんに恵まれた環境にいるものの,かつて所属したある病院ではHIV患者の透析を中止させられたことで戦い,敗れました。しかしまったく後悔はしていませんし,たぶん,同じ状況になれば,また同じように戦ってしまうかもしれません。
決して自分の構えを崩すな。
そう,患者さんの感染症プロブレムが良い方向に解決するよう実践している私の構えを本書では提示しました。
確かに,勝敗は時の運です。敗れたら去ればいい。その組織が世間の常識と乖離していて,誠実に働いた者が評価されないなら,どうせ腐った組織です。
型を崩さず,努力すれば,きっとあなたに合った導きに巡り合うでしょう。その場所があなたが輝ける組織です。
岡 秀昭