小児救命救急・ICUピックアップ④ 感染症

小児急性期診療の現場で頼れるシリーズ、第4弾

小児の救命救急・ICU領域における標準的な治療、最新の知見・エビデンスに基づく治療の選択肢を提示するシリーズ第4弾。 多くの小児患者に関与し内容が多岐にわたる感染症の中でも、敗血症を併発する重症感染症病態を中心に、1)感染症診療の基本、2)疾患別、3)微生物別、4)場面別に分類、重要項目をピックアップし解説。小児科医、集中治療医をはじめ、感染症科医にも役立つ管理のコツを提供する。



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¥4,620 税込
ISBN
978-4-8157-3005-5
判型/ページ数/図・写真
B5 216頁 図28
刊行年月
2020年11月
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◆小児感染症診療の基本
①感染症診療の考え方
②グラム染色と培養検査
③迅速検査,遺伝子検査
④血液培養検査
⑤感染症バイオマーカーの種類と使い方
⑥小児/新生児における抗菌薬の適応と投与量一覧

◆重症感染症におけるマネージメント
①敗血症/敗血症性ショック
②髄膜炎
③心筋炎
④感染性心内膜炎
⑤皮膚軟部組織感染症
⑥ICUでみる非感染性発熱

◆特定の微生物におけるマネージメント
①肺炎球菌
②黄色ブドウ球菌(MRSAとMSSA)
③腸内細菌科細菌
④緑膿菌
⑤百日咳菌
⑥エンテロウイルス・パレコウイルス
⑦単純ヘルペスウイルス・アデノウイルス

◆特定の場面におけるマネージメント
①人工呼吸器関連肺炎(VAP)
②カテーテル関連尿路感染症(CA-UTI)
③カテーテル関連血流感染症(CRBSI)
④手術部位感染症(SSI)
⑤ステロイド・免疫抑制薬と感染症
⑥発熱性好中球減少症(FN)
⑦原発性免疫不全症と感染症
⑧腎代替療法(RRT)やECMO施行中の重症患者での薬剤投与における留意点

「小児救命救急・ICUピックアップ」シリーズ,第4弾は“感染症”である。責任編集を仰せつかった者としては感慨深く,この機会を与えて頂いた編集委員会に改めて感謝申しあげたい。
 まだPICU(小児集中治療室)が日本の医療界に認知されていない30数年前,PICUにおける感染症診療は黒歴史の時代であった。十分な知識や体系的な教科書,指導者も乏しかった。そもそも診療全てが経験や言い伝えと,看護師詰め所に置かれたハードカバーのRogers' Textbookだけが頼りだった。もちろん読み切れないし追いつけない。呼吸と循環と,あと栄養!?…,感染症のカの議論もなかった。手術が終わったら,クラフォ○○を1週間投与。熱が出ればCRPを測って陰性化するまでチエナ○1日2回と,バソコと,なんかカビに効く薬。血液培養って何?…
 時代は変わった。感染症診療の基本が普及し,新たな診断法が生まれ,抗菌薬使用の適正化が進んだ。重症感染症患者が救命できるようになった。しかしまだまだ,改善の余地がある。変わらない基本的診療作法,新しい知見や技術,そして何よりも,クリニカルエビデンスを重視した診療行動について,今一度まとめ直し,臨床医がすぐにひもとける教科書がほしい。それがあればPICUの感染症診療はもっと良くなるはずだ。そんな願いからこの企画を始めた。
 責任編集者の能力のみではまとめきれないところを,4名の編集協力者にお世話になった。笠井正志・伊藤雄介・伊藤健太・日馬由貴(敬称略),いずれも現場をよく知り,日々感染症と格闘し続けている怪しげな俊英である。各項目の筆者も彼らのアドバイスのもと,新進気鋭のメンバーに依頼した。痒いところに手の届く,とても良い教科書ができあがったと思う。
 依って責任編者の仕事は、この駄文を書くばかりとなった。良い傾向である。この流れが引き継がれ,今後も版を重ねることを期待している。


2020年10月
キンモクセイが薫り,どんぐりが降る洛北の公園で
志馬 伸朗
広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学

脳科学を網羅する教科書

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