四肢に特化したMRI診断のスタンダードテキスト、待望の改訂
日常診療において今や必要不可欠となった関節領域におけるMRI診断の本格テキスト、7年ぶりの大改訂。新知見を取り入れ、高解像度の最新画像を1400点以上掲載、さらに本文を2色+4色刷に変更し視認性を向上。四肢の関節を中心とした構成に変更された。放射線科,整形外科,リウマチ科をはじめ運動器疾患の診療に携わる全ての臨床医と,これから専門医を目指す専攻医にとって必備の書。脊椎の項目は『エッセンシャル脊椎・脊髄の画像診断』として2021年出版予定。
Ⅰ.関節のMRI解剖
Ⅱ.関節の撮像法
1.基本的撮像法
2.目的別撮像法
Ⅲ.関節疾患(総論)
3.関節炎
4.骨壊死とその関連疾患
5.外傷・障害
6.腫瘍・腫瘍類似疾患
Ⅳ.関節疾患(各論)
7.肩関節
8.肘関節
9.手関節と手
10.股関節
11.膝関節
12.足関節と足
13.顎関節
“ すべての領域の関節疾患のMRI 診断を網羅する” という目的で出版されたこの教科書は,日常診療において必要不可欠となった関節領域のMRI 診断の本格的なテキストとして一定の評価を得ることができました.第1 版が2007 年,第2 版が2013 年,そして2020 年,ようやく第3 版を皆様にお届けします.画像診断技術の進歩,新たな知見の集積は絶え間なく続いており,今回の改訂版ではこれらの最新情報や項目を追加し,記述内容や図表を十分にアップデートすることを目指しました.これにより,第2 版でふくれあがったページ数がさらに増えてしまうことが懸念されました.そこで,不要と思われる項目や重複した内容を整理するとともに,「脊椎」の章を割愛しました.来年,新たな教科書『エッセンシャル脊椎・脊髄の画像診断』を刊行予定で,ここに「脊椎」の内容を移行する予定です.
今回の改訂版も骨軟部病理の専門の方々に執筆に加わっていただき,病理学の立場から疾患の解説を行っていただきました.病理所見と画像所見を対比することは,画像を根本から理解するうえで重要な点であり,本書の際だった特徴として,これからも大事にしていきたいと思います.
このテキストが画像診断医,整形外科医,リウマチ医をはじめとする運動器疾患の診療に関わる臨床医や医療関係者にとって関節のMRI を理解し,応用するための必読書となることを期待しています.
お忙しいなか執筆にご尽力いただいた先生方,私の仕事の遅れのために最初から最後までご迷惑をかけたメディカル・サイエンス・インターナショナルの後藤亮弘氏,菅野 明氏,正路 修氏に心から感謝いたします.
2020 年11 月
編者代表 上谷雅孝