小児急性期診療の現場で頼れるシリーズ、第5弾
小児の救命救急・ICU領域における標準的な治療、最新の知見・エビデンスに基づく治療の選択肢を提示するシリーズ第5弾。日常的な遭遇頻度は高くないが、緊急時においては、適切な治療のための専門知識が必要とされる内分泌・代謝各領域における指針を解説。教科書的な知識だけでなく、現場の医師でないとわからないピットフォールも収載。小児科医、集中治療医をはじめ、内分泌・代謝領域の医師にも役立つ管理のコツを提供する。
◆総論
◎ 内分泌救急疾患総論
◆各論
◎ 糖尿病性ケトアシドーシス
◎ 副腎不全(先天性と後天性)
◎ 甲状腺クリーゼ
◎ ナトリウムの異常─低ナトリウム血症と抗利尿ホルモン─
代謝救急疾患
◆総論
◎ 先天代謝異常症と集中治療
◎ 救急外来で出会う先天代謝異常症
◎ Metabolic Autopsyについて
●検査値から読み解く先天代謝異常症
◎ 血糖,血液ガス分析,アンモニア
◎ ケトン体,遊離脂肪酸
◎ 乳酸・ピルビン酸
◆各論
●肝機能異常を伴う先天代謝異常症
◎ 糖原病
◎ 銅代謝異常症(Wilson病と特発性銅中毒症)
◎ シトリン欠損症
◎ 新しい遺伝性代謝疾患
●治療
◎ 代謝救急
◎ 尿素サイクル異常症
◎ 有機酸代謝異常症
◎ アミノ酸代謝異常症の救急対応(メープルシロップ尿症を中心に)
◎ ミトコンドリア病
◎ 先天代謝異常症と血液浄化療法
◎ 先天代謝異常症と肝移植
「小児救命救急・ICUピックアップシリーズ」は,日本小児集中治療研究会監修のもと2017年より発刊した。小児集中治療にかかわる各分野において基本的な知識はもとより,その時々の最新トピックスをより多くの医療関係者に“新鮮”なうちにできるだけ早くお届けすることを目的とする。お陰様で第1巻の『ショック』から,『呼吸管理』,『神経集中治療』,『感染症』と,好評を博してきた。
第5巻は『内分泌・代謝救急疾患』とした。内分泌・代謝救急疾患は,小児集中治療分野においては避けては通れない疾患群である。治療が特殊なために,知っていないと緊急で適切な治療を行うことができない。しかも,日常的によく診る疾患群ではないので正確な知識を日頃から意識して取り入れておくことが必要である。以上の理由から今回の企画を決定した。
執筆は,小児救命救急・集中治療,内分泌,代謝分野の第一線で活躍されている先生方にお願いした。教科書的な知識だけでなく,現場の医師でないとわからないピットフォールなど,より現実に即した内容を目指した。本書が現場の先生方の診療の一助となれば幸いである。
令和3年10月吉日
櫻井淑男
編集委員会
日本小児集中治療研究会
2021-12-20
【正誤表】下記の図、表を改変いたしました。読者の方々にお手数をお掛けしお詫び申し上げます。ご参照いただきますよう何卒お願い申し上げます。
正しい表(図)は以下のものでございます。
・37頁の表1:出典の変更
・38頁の表2:表の内容や出典の変更など
・39頁の図2:出典の変更
・109頁の図4:図にキャプションを加え,図中文字を小改変