INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2022年3号

 



特集:臨床研究



集中治療は,研究題材,アイデアの宝庫です。しかし患者背景などの不均一性,急性期医療固有の研究実施におけるハードル,困難さ,また臨床的必要性から勃興してきた医学分野がゆえのアカデミアでの軟弱基盤などにより,質の高い意義ある研究の実施には困難も少なくありません。日々多様な背景をもつ重症患者に対峙し,よりよい医療を提供するため,日進月歩,我々集中治療医には研究を通じてその前進に寄与する責務があります。

 今回の特集は単に教科書的な,特に初学者を対象としたノウハウ本と一線を画し,集中治療医が実際に「質の高い」研究を「効果的に」現場に還元できるようにするために獲得しておくべき研究の基礎知識を,著者らの実際の経験に基づいてまとめます。これから集中治療医として集中治療医学分野で研究を始め,アカデミックフィールドでの活躍を目指す研究初学者,これからますますアカデミアでの指導を行い,教育者の立場での活躍を目指す人,すべてのアカデミックインテンシビストを対象としています。



INTENSIVIST0号(創刊当時の座談会の模様)はこちら




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 











JSEPTIC ホームページ

特定非営利法人 日本集中治療教育研究会




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¥5,060 税込
責任編集:川口 敦(聖マリアンナ医科大学 小児科/University of Montreal, CHU Sainte Justine)・安田英人(自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科)
ISBN
978-4-8157-2031-5
刊行年月
2022年7月
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はじめに:質の高い臨床研究実施のために必要な要素とは
 川口 敦 聖マリアンナ医科大学 小児科/University of Montreal, CHU Sainte Justine

Part 1 臨床研究のアドバンスな基礎知識
1.臨床疫学とは:EBMを実践するための土台
 笹渕 裕介 自治医科大学 データサイエンスセンター
2.生物統計学とは:臨床試験を特徴づける要素とセンスのある試験デザイン
 飛田 英祐 大阪大学大学院医学系研究科 医療データ科学共同研究講座
3.knowledge translationとは:知識を臨床の場に活かす
 一二三 亨 聖路加国際病院 救急部
4.clinical trial group(CTG)とは:学術的な生産性や仲間意識だけでなく,守秘義務もCTGの維持と成長に必要である
 西崎 彰 フィラデルフィア小児病院 麻酔集中治療科
5.研究計画書・研究費申請書の書き方:研究を適正かつ円滑に推進するために
 福田 龍将 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 救急科
6.scientific writingとは:新しい知見を広め,知ってもらうために
 三浦 慎也 聖マリアンナ医科大学 小児科
 川口 敦
7.研究指導とメンターシップとは:導く者と導かれる者,それぞれのコツとポイント
 若林 健二 東京医科歯科大学 生体集中管理学
8.academic intensivistとは:科学的な思考過程が実践でき,診療に加えて研究と教育を担う人材
 土井 研人 東京大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学
9.査読の裏側:最速でアクセプトされるための「コツ」
 大下 慎一郎 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学
10.研究倫理とは:救急医療の現場で用いられてきたコンセントモデル
 砂山 勉・末永 祐哉・堂垂 大志 順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学

Part 2 臨床研究の種類
11.創薬研究:まずは治験について学んでみる
 徳増 裕宣 倉敷中央病院 臨床研究支援センター
12.国際共同研究:その実務と醍醐味
 藤井 智子 東京慈恵会医科大学附属病院 集中治療部
 千田 実 東京慈恵会医科大学 臨床研究支援センター
 一原 直昭 東京大学 医療品質評価学講座
13.薬剤師研究:新たな医療資源として薬剤師と地域薬局を活用するために
 岡田 浩 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野
14.看護師主導研究:教育機関・研究・臨床の一体化を目指す
 卯野木 健 札幌市立大学 看護学部 成人看護学(急性期)
15.基礎研究:基礎研究をもう一度とらえ直す
 松石 雄二朗 聖路加国際大学 ニューロサイエンス看護学
16.産学連携研究:企業の選択から研究費出願まで
 園生 智弘 TXP Medical 株式会社

Part 3 研究の実際あれこれ
【コラム】大学院体験談:国内編:データサイエンスから臨床研究へのアプローチ
 吉田 拓生 東京女子医科大学 集中治療科/横浜市立大学データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻
【コラム】大学院体験談:海外編:社会人学生としての公衆衛生大学院留学
 宮地 麻衣 東京女子医科大学 集中治療科
【コラム】研究留学体験談:目的を明確にし,目標への努力を怠らない
 江川 悟史 Columbia University Irving Medical Center, Neurological ICU/TMGあさか医療センター 神経集中治療部
【コラム】メジャー誌掲載体験談:無欲な探究心から生まれた想定外の大成功
 川副 友 東北大学病院 高度救命救急センター
【コラム】失敗経験から学ぶ臨床研究を成功させるためのポイント:同じ過ちを犯さないために
 真弓 俊彦 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 ICU診療部

連載
■え?知らないの?人工呼吸器のclosed loop control Part 1
 〈シリーズ構成:森實 雅司 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉
 開 正宏 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 臨床工学科
■最新エビデンスを読む
第4回:ブジーとスタイレットを用いた気管挿管の比較(BOUGIE trial)
 中澤 太一 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
 片岡 惇 練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門
■Lefor’s Corner
第45回:Vascular Access and Hemodynamic Monitoring
Part XXVI:Pediatric Vascular Access─Techniques II
 Miwa Ito・Alan Kawarai Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University
■集中治療に関する最新厳選20論文
 田邊 翔太 松江赤十字病院 救急総合診療科
 吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

脳科学を網羅する教科書

周術期管理を核とした総合誌[リサ]月刊/毎月1月発売

エビデンスの先のベストプラクティスを描くクオータリー・マガジン。季刊/年4回発行

患者全体を見すえた内科診療のスタンダードを創る!季刊/年4回発行

救急に関わるすべての医療者のための総合誌

際限なき医学欲を満たす、極上の教科書を召し上がれ。

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