Oxygen - マリノが提案する新しいパラダイム -

ベストセラー「ICUブック」の著者Paul L. Marinoによるこれからの「酸素療法」について

ベストセラー「ICUブック」の著者Paul L. Marinoによる、「Oxygen=酸素」の真の姿に迫る書。現在の医療における酸素療法を振り返りながら、酸素の傷害性とそれにあらがうべく生体が備えている抗酸化システムについて解説。これまでの酸素療法には有効性を示す証拠はないとして、これからの酸素療法は新しいパラダイムにシフトすべきとMarinoは提案する。急性期の呼吸管理に携わる医師はもちろんのこと、学生や基礎研究者にも多くの示唆を与える。



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¥2,750 税込
原著タイトル
Oxygen: Creating a New Paradigm
原著者
Paul L. Marino
訳:稲田英一 東京都立東部地域病院 病院長/順天堂大学 名誉教授
ISBN
978-4-8157-3065-9
判型/ページ数/図・写真
B6 頁260 図45
刊行年月
2023年2月
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第Ⅰ部 酸素はどれほど大切か?
1.酸素運搬は呼吸循環系の主たる役割か?
2.酸素運搬はヘモグロビンの主たる役割か?
3.酸素は組織内にどのくらい存在するか?
4.組織低酸素症は死への共通経路か?
5.酸素療法は組織のニーズに基づいているか?
6.赤血球輸血は組織のニーズに基づいているか?

第Ⅱ部 酸素はいかに破壊的か?
7.酸化とは何か?
8.活性酸素種とは何か?
9.酸素は炎症反応に関与しているか?
10.酸素と電離放射線との共通点は何か?
11.酸素はエイジングを促進するか?
12.私たちのからだは死後なぜ分解するのか?
13.酸素投与が安全なのはいつなのか?

第Ⅲ部 それではどうする?
14.新しい酸素のパラダイムとは?

付録 そのほかの関連書
索引

Paul L. Marino の『ICU ブック(The ICU Book)』と『リトル ICU ブック(The little ICU Book)』(ともにメディカル・サイエンス・インターナショナル)は,ICU における患者管理について,独自の視点からわかり や す く 解 説 し た 良 書 で あ り, 多 く の フ ァ ン が い る。 今 回 の『Oxygen:マリノが提案する新しいパラダイム(Oxygen: Creating a new paradigm)』は,趣をまったく異にした本である。私たちが今まで行ってきた酸素療法や輸血療法に関して,酸素は酸化を起こすため有害であり,さまざまな傷害を起こすために注意が必要であるという新しい考えを提唱し,より理にかなった治療法について考えるべきで,新しいパラダイムへの移行が必要であると述べている。私たちが伝統的に信じていたこと,行ってきたことに対して,データを駆使しながら,理論的に検証している。私たちがみてきた世界を別の視点からみることにより,酸素療法の全体像が把握できるようになったといってもよい。その内容に衝撃を受け,自分の行ってきた医療を見直そうという気になる読者も現れるだろう。一般的な教育内容や現在の「標準的」治療に疑問をもっていたが,自分自身が誤っているのではと口に出せなかった人にとっては,「そうじゃないかと思っていたんだ!」という言葉が出るような内容である。
 本書は大きく 2 部で構成されている。第 1 部では,酸素化を促進するための酸素療法や輸血療法について,好気的代謝の維持という観点から,その有効性について検証している。第 2 部では,酸素や活性酸素種による有機物の分解や DNA 損傷などの傷害作用,炎症反応やエイジングにおける役割について検証するとともに,抗酸化治療の有用性と現在の臨床応用における限界について述べている。
 本書は伝統的な治療法に対する大いなる挑戦である。しかしそれは,それら伝統的治療の有用性を否定するのではなく,より理論的に行うにはどうしたらよいかという提案でもある。伝統に固執することは,何も考えないことにつながり,科学の発展を妨げ,患者にとって有害なこととなる可能性があることが,本書の中で描かれる多くのエピソードから納得することができる。
 頭の中をリフレッシュするよい機会としていただけば幸いである。
2023 年 1 月
東京都立東部地域病院 病院長
順天堂大学 名誉教授
稲田 英一

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