シン・感染症999の謎

ベストセラー「感染症999の謎」の続編、ついに完成!



ベストセラー「感染症999の謎」、13年ぶりの続編。敗血症や結核といったベーシックなものから感染症に関する法制度や日本における感染症の歴史など、感染症に関わる多彩な999問のQ&Aを60章に分け解説。気になった項目から読み進めることができる構成はそのままに内容をより深くグレードアップ。著者らが真剣に感染症の「謎」と向き合い、答えを見いだそうと葛藤した、感染症とその診療の「本質」に迫る一冊。若手からベテランまで楽しみながら学べる。



電子版はこちら(医書JP)

¥6,380 税込
編集:岩田健太郎 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授
ISBN
978-4-8157-3068-0
判型/ページ数/図・写真
A5変 頁784 図8 写真9
刊行年月
2023年4月
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1 敗血症(sepsis)
2 感染性心内膜炎と心血管系感染
3 菌血症とカテーテル関連血流感染
4 不明熱
5 頭頸部感染
6 中枢神経系
7 呼吸器感染症
8 泌尿器感染症
9 消化器感染症:消化管
10 消化器感染:腹膜炎,胆道感染,脾臓感染な
11 産科・婦人科感染
12 性感染症
13 皮膚軟部組織感染
14 骨・関節感染症
15 人獣共通感染症
16 結核
17 エイズ
18 悪性疾患と感染
19 生物学的製剤その他の医原性免疫抑制と感染症
20 固形臓器移植と感染症
21 血液・幹細胞移植関連感染
22 小児感染症
23 眼と感染症
24 院内感染予防
25 予防接種
26 旅行医学
27 バイオテロリズム(バイオテロ)
28 疫学とデータ解析
29 新型コロナウイルス感染症
30 細菌学:グラム陽性菌
31 細菌学:グラム陰性菌 364
32 細菌学:嫌気性菌,抗酸菌,その他
33 真菌学
34 呼吸器系ウイルス
35 ヘルペスウイルス
36 肝炎ウイルス
37 レトロウイルス
38 その他のウイルス
39 寄生虫学
40 抗菌薬学:β –ラクタム
41 抗菌薬学:その他
42 抗結核薬
43 抗真菌薬
44 抗ウイルス薬:呼吸器感染
45 抗ウイルス薬:抗 HIV薬
46 抗ウイルス薬:その他
47 抗寄生虫薬
48 抗菌薬感受性試験
49 臨床検査:細菌学
50 臨床検査:その他
51 感染症診断学
52 感染症に関する法制度など
53 公衆衛生
54 感染症史:日本
55 感染症史:海外
56 論文執筆と投稿
57 キャリア・ディベロップメント
58 医学教育
59 コンサルテーション・スキル
60 リスクコミュニケーション

カラー写真

索引
和文索引
欧文索引

ご存じの方は,ご存じだと思うが,メディカル・サイエンス・インターナショナルが出している人気シリーズ,「999の謎」の嚆矢は我らが「感染症」であった。2010年のことだから,もう 10年以上前の話になる。
そして,この「999」シリーズは元はと言えば,海外の「SECRET」シリーズの「パクリ」であることも知る人ぞ知る事実だ。Hanley & Belfus社が出してきた「SECRET」シリーズは,医学のサブスペのウンチクをまとめ上げた本で,米国で感染症フェローをしていたぼくのお気に入りの本だった。感染症屋はとにかくウンチクが大好きなのだ。ネットで調べる限り,どうもこの Hanley & Belfus社は Elsevierに買収されてしまったようだ。Elsevierも引き続き,USMLE(米国の医師国家試験に相当するテスト)などの解説本として「SECRET」シリーズを出しているようだが,感染症のそれは出ていないようだ。
 前著がもうだいぶ古くなってきたので,999もつくり直そう,という話になったわけだが,制作は難航した。
 最大の原因はぼくにある。
ぼくのなかでは「ウンチク」に飽きていたのだ。なんとか徴候のなんとかさんはどこの国で生まれて,どういう生涯を送って……みたいな重箱の隅をつつくウンチクは,若手医師が同僚たちや後輩にマウントをとるときの好材料だ(鼻っ柱の強い輩は先輩にもやるけど。オレもやったわ,やった。なっつかしいなー,はっずかしいなー)。まあ,他愛もない話で,一種の中二病みたいなものだ。が,年齢を重ねるにつれて,その手の小ネタの量でマウントをとるのに「飽きてくる」。老いとともに調べる気力,集中力も,向学心も萎えていくから,単なる言い訳なのかもしれないけれど。
しかし,集まってきた原稿を読んでいて,ぼくは自らの不見識を恥じた。みんな,マジなのだ。真剣に感染症の「謎」と向き合い,そこに答えを見いだそうという真面目な葛藤が文面に現れており,決してマウントとったるぜ,なウンチク集ではない。むしろ,本書を読むことで感染症とその診療の「本質」に迫ることができるんじゃないかと思う。まじで。
ここからはあくまでも想像だが,各執筆者は本書の各章を執筆するのに相当苦しんだに違いない。ラクラク,スイスイと書き進めた原稿はほとんどない。葛藤の跡が滲んでいる。
とともに,本書の作成はとても楽しい作業だったに違いない。なにしろ,感染症の「本質」との葛藤なのだから。
 新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来,我々感染症屋の多くは本質とはかけ離れた,およそ「どうでもよいこと」に忙殺されてきた。科学的には間違っているんだけど,イライラしたり,ビクビクしたり,オドオドしたり,あるいはテンパっているあの人,この人の「お気持ち」を慮って,勧めたくもないコンテンツを勧め,認めたくもないマニュアルを認め,買いたくもないガジェットを買わされてきた。鬱々たる感染症屋たちが,ちゃんとプロの本分を発揮して,しっかりしたコンテンツをつくったのだから,それは楽しいに決まっている。
 絶対,読んで損はしません。ぜひ,「本質」を読む楽しさを,あなたも追体験してみてください。

2023年 1月
岩田 健太郎

2023-05-31

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

115ページ上から3行目
(誤)Finnry
(正)Finney

2023-05-18

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

245ページ下から1行目と2行目
(誤)Chronobacter sakazaki
(正)Chronobacter sakazakii

245ページ下から1行目
(誤)腸内細菌
(正)腸内細菌目細菌

2023-04-18

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

372ページ上から3行目
(誤)ジドブジン(AZT)
(正)アズトレオナム(AZT)

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