内科マインドマップ - 記憶と想起の枠組み・構造 -

「マインドマップ」を活用し、100を超える内科疾患を視覚的に学ぶ

記憶力と情報整理を高める学習効果があるとされるマインドマップの形式で内科疾患を視覚的に学べる書。100を超える疾患のマインドマップに、疾患の定義、病態生理、原因、臨床的特徴、検査、管理、合併症などの詳細を提示。また視覚的記憶の補助に不可欠な写真や図形を多数掲載。さらに語呂合わせの形式も追加され、マップ情報を補完。重要な項目については別途“NOTE”で解説。研修医や若手医師等の知識の修得を多面的にサポートする。



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¥6,930 税込
原著タイトル
Mind Maps for Medicine
監訳:福井次矢(東京医科大学茨城医療センター 病院長)
ISBN
978-4-8157-3083-3
判型/ページ数/図・写真
A4 頁318 色図58 写真98 4色
刊行年月
2023年9月
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第1章:循環器
狭心症angina pectoris
急性冠症候群acute coronary syndrome(ACS)
急性心膜炎acute pericarditis
心房細動atrial fibrillation(AF)
心臓弁膜症valvular heart disease
心不全heart failure(HF)
閉塞性肥大型心筋症hypertrophic obstructive cardiomyopathy(HOCM)
高血圧hypertension(HTN)
感染性心内膜炎infective endocarditis(IE)

第2章:呼吸器
急性呼吸促迫症候群acute respiratory distress syndrome(ARDS)
喘息asthma
気管支拡張症bronchiectasis
慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary disease(COPD)
嚢胞性線維症cystic fibrosis(CF)
間質性肺疾患interstitial lung disease
肺癌lung cancer
閉塞性睡眠時無呼吸症候群obstructive sleep apnea(OSA)syndrome
胸水pleural effusion
肺炎pneumonia
気胸pneumothorax
肺塞栓症pulmonary embolism(PE)
呼吸不全respiratory failure
サルコイドーシスsarcoidosis

第3章:消化器
急性肝不全acute liver failure(ALF)
急性膵炎acute pancreatitis
α1アンチトリプシン欠損症α1 antitrypsin( A1AT) deficiency
慢性膵炎chronic pancreatitis
肝硬変cirrhosis
セリアック病celiac disease
Crohn病Crohn’s disease
胃癌gastric cancer
胃食道逆流症gastroesophageal reflux disease(GERD)
遺伝性ヘモクロマトーシスhereditary hemochromatosis(HH)
過敏性腸症候群irritable bowel syndrome(IBS)
黄疸jaundice
食道癌esophageal cancer と嚥下障害dysphagia の他の原因
消化性潰瘍疾患peptic ulcer disease
原発性胆汁性胆管炎primary biliary cholangitis(PBC)
原発性硬化性胆管炎primary sclerosing cholangitis(PSC)
潰瘍性大腸炎ulcerative colitis
上部消化管出血upper gastrointestinal bleeding
Wilson病Wilson’s disease

第4章:腎臓
急性腎障害acute kidney injury(AKI)
慢性腎臓病chronic kidney disease(CKD)
腎炎症候群nephritic syndrome
ネフローゼ症候群nephrotic syndrome
尿路感染症urinary tract infection(UTI)

第5章:内 分 泌
先端巨大症acromegaly
副腎不全adrenal insufficiency
Cushing 症候群Cushing’s syndrome
尿崩症diabetes insipidus(DI)
糖尿病diabetes mellitus:概要/管理
糖尿病性ケトアシドーシスdiabetic ketoacidosis(DKA)
高アルドステロン症hyperaldosteronism
低カルシウム血症hypocalcemia
高カルシウム血症hypercalcemia と副甲状腺機能亢進症hyperparathyroidism
高プロラクチン血症hyperprolactinemia
甲状腺機能低下症hypothyroidism
甲状腺機能亢進症hyperthyroidism
低血糖hypoglycemia
低ナトリウム血症hyponatremia
下垂体機能低下症hypopituitarism
褐色細胞腫pheochromocytoma
多嚢胞性卵巣症候群polycystic ovary syndrome(PCOS)

第6章:神経
Bell 麻痺Bell’s palsy
せん妄delirium
てんかんepilepsy
硬膜外血腫extradural hematoma
Guillain‒Barré症候群Guillain‒Barré syndrome(GBS)
片頭痛migraine
運動ニューロン疾患motor neuron disease(MND)
多発性硬化症multiple sclerosis(MS)
重症筋無力症myasthenia gravis(MG)
神経線維腫症neurofibromatosis(NF)
Parkinson症候群parkinsonian syndrome
多発ニューロパチーpolyneuropathy
一過性脳虚血発作transient ischemic attack(TIA)
脳卒中stroke
くも膜下出血subarachnoid hemorrhage(SAH)
硬膜下血腫subdural hematoma

第7章:リウマチ・膠原病
強直性脊椎炎ankylosing spondylitis
線維筋痛症fibromyalgia
巨細胞性動脈炎giant cell arteritis
痛風gout
変形性関節症osteoarthritis(OA)
骨粗鬆症osteoporosis
Paget 病Paget’s disease
リウマチ性多発筋痛症polymyalgia rheumatica(PMR)
多発性筋炎polymyositis(PM)と皮膚筋炎dermatomyositis(DM)
乾癬性関節炎psoriatic arthritis
反応性関節炎reactive arthritis
関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)
強皮症scleroderma
化膿性関節炎septic arthritis
Sjögren症候群Sjögren syndrome
全身性エリテマトーデスsystemic lupus erythematosus(SLE)
ビタミンD欠乏症vitamin D deficiency

第8章:感 染 症
A 型肝炎hepatitis A
D 型肝炎hepatitis D とE 型肝炎hepatitis E
B 型肝炎hepatitis B
C 型肝炎hepatitis C
ヒト免疫不全ウイルスhuman immunodeficiency virus(HIV)
マラリアmalaria
結核tuberculosis

図の出典一覧

監訳者序
 マインドマップ(思考地図)とは,三省堂『スーパー大辞林3.0』によりますと,「複数のキーワードを線で結ぶなどして,断片的な概念を放射的・連想的に図示し,志向の流れやその全体像を明らかにする記録法。またはそのように作成した図のこと。」とされています。人が頭のなかで考えている事柄を図示したもので,何世紀も前から,学習や,ブレーンストーミング,問題解決などに用いられてきたとされています。
 本書は,医学生時代に,学習や試験にマインドマップが有用なことに気づき,以後,さまざまな場面で活用してきたモーシン・アザム医師が,医学生だけでなく,経験の浅い医師や一般医に役立ててもらうよう,100 を超える疾患について,詳細なマインドマップを提示したものです。各疾患の定義を核として,そこから放射状に,病態生理,原因,臨床的特徴,検査,管理,合併症などにつき,疾患の全体像が網羅的に説明されています。
 自分自身でマインドマップをつくってみるとおわかりになるかと思いますが,当該テーマについて全体像の把握と深い知識がなければ,非常に不完全なものしか図示できません。本書は,人の思考過程をあるがまま図示するタイプのマインドマップというよりも,疾患に関する知識を記憶し想起するための,より理想的な枠組み・構造のマインドマップを示したものといえます。
 本書を用いることで,各疾患について包括的かつ効率的に学ぶとともに,そのような疾患に関する知識を効率的かつ包括的に記憶し想起するための枠組み・構造を脳髄に刻むことができると思います。そうすることで,今後のあらゆる場面での学習─知識の記憶,想起─がより効率的になることと思います。
 研究面において,2010 年頃から,文献上マインドマップを扱う論文数が急増しています。爆発的に増え続ける医学知識を,医療者はいかに効率的に記憶し想起すればよいのか,認知心理学的なアプローチが模索されています。
 本書が,医学生や経験の浅い医師だけでなく,経験の豊富な医師にとっても,個別の疾患についての知識を記憶するだけでなく,知識を記憶し想起するメカニズムや認知心理学への興味をもかき立てることを願っています。
2023 年8 月
福井 次矢


原著序
 マインドマップ(あるいはそれに似た考え方)は,教育者,心理学者そして一般の人々の間で,何世紀にもわたり,学習,ブレーンストーミング(創造的集団思考法),視覚的思考,問題解決にこれまで活用されてきました。とりわけ,マインドマップは視覚的学習者にとって記憶とその維持に有用で,より魅力的な学習形態であり,生産性,効率性,創造性の改善に役立っています。医学生を対象とした研究では,マインドマップを用いると,従来のメモを取る方法よりも高い合格率が得られる可能性があることが示されています。
 私自身,メディカルスクールの2 年生のときに,はじめて自分でマインドマップをつくった後,その価値をはじめて実感しました。そのことは確かに私にとってやり方を変える契機になりました。そうすることで,大量の情報を体系的に理解し維持することが可能となり,結果として,より効率的な学習方法となりました。それまでは,長々とメモを取ることに多くの時間を費やしてきましたが,非生産的で時間の無駄だとわかりました。「より一生懸命に働くのではなく,より賢く働く(work smarter, not harder)」という言葉が胸にグサリときたのが,まさにそのときでした。医学生時代には,マインドマップは筆記試験で回答を想起するのに役立ちましたし,またOSCE(客観的臨床能力試験Objective Structured ClinicalExamination)においてはより構造化され説得力のある回答をするのにも役立ち,試験官は,構造化されておらず画一的な情報のリストを単純に繰り返すよりも気に入っているようでした。
 数年前,既存の書籍では,マインドマップがあまりにも単純化され,詳細が十分に記述されていないことから,マインドマップの形式で医学用に改訂された手引書を出版する必要性に気づきました。既存の書籍ではまた,視覚的記憶の補助には不可欠と私が思っている図形や写真で記載情報を補完するということがなされておりませんでした。
 本書では,システム・ベースのアプローチ(体系にもとづいたアプローチ)を採用し,100 を超える病態の1 つひとつの定義,病態生理,原因,臨床的特徴,検査,管理,合併症などを,一貫した方法で読者に提供する詳細なマインドマップを提示しています。本書が対象とするのは主として医学生ですが,経験の浅い医師や一般医にとっても有用なはずです。
記載されている疾患を,読者が簡単にみつけられるよう,各章は主としてアルファベット順に配置されています。しかしながら,例外もあり,狭心症と急性冠症候群(ACS),そして一過性脳虚血発作(TIA)と脳卒中を扱うセクションのように,いくつかの病態については,軽度から重度までの範囲でグループ化すべきと思われます。
 関連する重要な情報すべてを1 つのマインドマップにうまく収めることができない重要なトピックについては,補完情報を“NOTE”の頁(マインドマップの次頁)に読みやすい箇条書きで提示しています。
 記憶保持と可視化をより高度なものとするために,写真やイラストとともに,記憶術〔ニーモニック(mnemonics)〕の形式で記憶補助が追加されています。
 本書はより大部の教科書にとって代わることを意図したものではなく,より革新的で楽しい方法で学べるよう,そのような教科書への手引とみなされるべきである。
 読者の皆さんには,本書が医学知識を提供するうえで楽しく有用であるだけでなく,それぞれ独自の医学マインドマップをつくろうという気持ちにさせることを望んでいます。
 最後に,すべての読者の方々が,医学試験や将来のキャリアにおいて成功されますようお祈りいたします。
Mohsin Azam

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