「一番大事なとこがめっちゃ具体的!コレならできる!!」
写真・イラスト・動画で見て学べる
専門的な手技・治療を行わなくても対処できる軽症の救急疾患=「マイナーエマージェンシー」の指南書。眼科、耳鼻科、皮膚科、整形外科、泌尿器科、外科の6領域について疾患名ではなく受療動機や主訴で項目を構成。各項目は初期診療や手技のみならず、プレホスピタルケアおよびポストホスピタル(ホームケア)の内容についても掲載。豊富な写真・イラスト・動画・アルゴリズムで手技や初期診療の流れを見て学べる。非専門医や学生、初期研修医の導入書として最適。
※動画閲覧のパスワードは本書の179ページの動画一覧に記載されています。
はじめに
PARTⅠ 総論
1 眼科
1-1 眼にものが入った(眼表面異物)
コラム:救急外来で細隙灯を使用できない場合の診察・評価について
1-2 眼が見えにくい,見えない
1-3 眼が痛い
1-4 眼が赤い
2 耳鼻科
2-1 鼻血が出た(鼻出血)
2-2 耳に何か入った(外耳道異物)
2-3 鼻に何か入った(鼻腔異物)
2-4 耳が痛い(耳痛)
2-5 のどに何か引っかかった(咽頭異物)
3 皮膚科
3-1 やけどをした(軽度熱傷)
3-2 イヌ・ネコに咬まれた(動物咬傷)
コラム:爪のトラブル110 番(陥入爪,爪がはげた,爪下血腫)
3-3 虫に刺された〔節足動物(ムカデ・マダニ・ハチ)刺傷〕
4 整形外科
4-1 手をついた
4-2 手を引っ張られた
4-3 足をひねった(足関節捻挫)
Advanced lecture:リハビリテーションと超音波
4-4 指をついた(突き指した)
Advanced lecture:指ブロック
4-5 尻もちをついた
4-6 肩が外れた(肩関節脱臼)
5 泌尿器科
5-1 尿が出ない
5-2 陰囊が痛い
コラム:精巣捻転を疑った際の超音波検査における留意事項
5-3 尿の色がおかしい(血尿が出ている)
6 外科
6-1 頭部外傷:小児
6-2 頭部外傷:成人
PARTⅡ Q & A 159
1 眼科
2 耳鼻科
3 皮膚科
コラム:破傷風について
4 整形外科
5 泌尿器科
動画一覧
INDEX
はじめに
『ランダムハウス英和大辞典第 2 版』によると,“minor”とは,「1( 大きさ・数量・程度などが)小さい[少ない]ほうの,2〈 物事が〉重要[重大]でない,ちょっとした,ささいな,〈手術・病気などが〉危険でない,軽症の」と書いてあります。「マイナーエマージェンシー」という言葉は,上記の2 の意味に相当する「専門的な手技・治療を行わなくても対処できる軽症の救急疾患」を指しています。とすると,マイナーエマージェンシーとは,「専門医ではなくても,遭遇したら対応を求められる救急疾患」とも読み換えられるかもしれません。
そこで私たちは,2011 年より,非専門医でも外科領域のマイナーエマージェンシーを適切に初期診療できる能力を身につけられることを目指したシミュレーションコースであるT&A(Triage & Action)マイナーエマージェンシーコースを立ち上げ,運営してきました。ありがたいことに,想像していたよりも多くの反響をいただけて,現在までコースを継続的に開催できております。さらに,コースの内容をもう一度じっくり復習できる内容のものが欲しい,コースでは扱っていない項目をもっと知りたいといったお言葉もいただくこともあります。そのご要望に応えるためにも,同コースの内容を基盤とし,コースでは説明しきれなかった内容も含めて,非専門医でも外科領域のマイナーエマージェンシーの初期対応が得意になれることを目指した書籍を企画しました。
その目標を達成するために,本書では以下のような工夫をしました。
1)見出しは「受療動機・主訴」に統一
既存の外科領域のマイナーエマージェンシーに関する書籍では,見出しが「鼻血」や「火傷(熱傷)」などの症候名だけでなく,「中耳炎」や「肘内障」といった疾患名が混在しているものがほとんどです。しかし,実際の臨床の現場では,患者さんの主訴や状態に応じて初期診療を組み立てることがほとんどです。そこで,本書では見出しを患者さんの受療動機・主訴で統一することで,患者さんの訴えから,どのように考え,どのように対応するかがわかる本を目指しました。
2)手技・初期診療の徹底した見える化
既存の書籍では手技や初期診療の方法について,文字で説明しているものや写真やイラストを使って説明しているものが一般的で,書籍の限界と考えられていました。本書では,文字や写真・イラストだけでなく,手技や初期診療の一連の流れを撮影した動画へのリンクを文中に掲載し,手技・初期診療の「見える化」を可能な限り提供できるように努めました。
3)現場での些細な疑問にQ&A 形式で対応
過去のT&A コースから,多くの受講生から質問が出る事項や専門医が日々の診療のなかで行っている診療のちょっとしたコツなどを抽出してQ&A 形式で回答しました。読んでいただけると「あ,それ知りたかった」という内容が詰まっていると自負しています。
本書が多くの読者のみなさまのお役に立つものになることを心より願っています。
2023 年9 月
著者を代表して
松原 知康
茂木 恒俊
2023-12-14
【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。
184ページ中段上から16行目
(誤)糖尿病 068,199
(正)糖尿病 068,119