特集:ショックのPatient Journey
本特集ではショックをテーマに,「患者のICU入室から退室まで」のPatient Journeyについて症例を用いて解説します。Patient Journeyと冠したのは,特に手のかかるショック症例を入室から退室まで時系列で学んでいただきたいからです。テーマはショックですが,ショックを切り口にICU管理全般を,そして多くの集中治療医が日々悩んでいるであろうエビデンスやガイドラインでは明確にされていない点を論じます。
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1.Opening Remark ショックの巨人 Dr. Max Harry Weilが始めた物語
小野 雄一郎 兵庫県立加古川医療センター 救急科
2.外傷性出血性ショック:蘇生 外傷性失血死を防ぐhemostatic resuscitation
死の三徴を回避するためのdamage control戦略
清水 裕章 兵庫県立はりま姫路総合医療センター 救急科
3.外傷性出血性ショック:de−resuscitation appropriate careを阻むICU管理のジレンマ
機能的再建,体液管理,VTE予防の最適化
田原 慎太郎 兵庫県立加古川医療センター 救急科
4.心原性ショック:蘇生 薬学的循環補助と機械的循環補助の選択
重症度分類をふまえた治療戦略の決定
川上 将司 飯塚病院 循環器内科
5.心原性ショック:de−resuscitation 機械的循環補助からのde−resuscitation戦略
最適なstabilizationこそ離脱成功の鍵
澤田 賢一郎 国立循環器病研究センター 心臓血管系集中治療科
6.ECPR後の集中治療管理
二次性脳損傷を最小化するためのde−resuscitation
森山 太揮・井上 明彦 兵庫県災害医療センター 救急部
【コラム】侵襲的モニタリングはショック患者の予後を改善し得るか?
桂 欣宏・西川 貴史 神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科・集中治療部
瀬尾 龍太郎 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター
7.敗血症性ショック:蘇生 step beyond SSCG 2021
最新のエビデンスをふまえたベストプラクティス
柴田 泰佑 鉄蕉会亀田総合病院 救命救急科
小谷 祐樹 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
8.敗血症性ショック:de−resuscitation 蘇生輸液のevacuationはいつ・どのように・どこまで行う?
安全域を意識した体液管理
徳山 裕貴 奈良県総合医療センター 集中治療科
亀井 純 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野
【コラム】乳酸は敵か味方か?
浅田 敏文・土井 研人 東京大学医学部附属病院 救急・集中治療科
9.肺血栓塞栓症の管理
重症右心不全を意識した,支持療法と根本治療
熊城 伶己・武居 哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 救命救急センター
10.開心術後:蘇生 「先生,今,入室した心臓術後の患者さん,血圧下がってます」
多彩な原因を鑑別し,介入するための道標
原田 佳奈 国際医療福祉大学大学院医学研究科 博士課程 社会医学研究分野/元 東京都立墨東病院 集中治療科
11.開心術後:de−resuscitation 開心術後管理,下から見るか?横から見るか?①
集中治療医が語る体液管理・人工呼吸器離脱
小中 理大・三反田 拓志 東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療部門
12.開心術後:de−resuscitation 開心術後管理,下から見るか?横から見るか?②
心臓外科医が語る体液管理・人工呼吸器離脱
吉野 邦彦 東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科
13.Closing Remark ショック管理の未来
Beyond journey’s end
小谷 祐樹
特別寄稿
ICUのPatient Journeyチュートリアル
小野 雄一郎
連載
■え?知らないの?吸入一酸化窒素療法
〈シリーズ構成:上岡 晃一 東京医科大学病院 臨床工学部〉
伊藤 朋晃 小倉記念病院 臨床工学課
■集中治療に関する最新厳選20論文
田邊 翔太 松江赤十字病院 救急部
吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学
2024-05-28
【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。
226ページ,図1の静脈系の上の囲み
(誤)後負荷↑
(正)前負荷↑
269ページ,図3のPAWP/CVPの行
(誤)左心不全↓/↑
(正)左心不全↑/↑