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症例検討
無痛分娩
前回無痛分娩の症例検討が組まれたのは 1999 年 2 月号のことである。それから 8 年が経過し,麻酔科医の間で無痛分娩をはじめとした産科麻酔への関心が高まりつつあるように感じられる。5 月にカナダのバンフで開かれた SOAP と日本麻酔科学会のジョイントシンポジウムには,日本からも 50 名を越える参加者があり盛況だった。また 5 月号の徹底分析にもあるとおり,日本の産科医療を取り巻く環境は大きく変わりつつあり,今後は産科医療の集約化が進んでいくものと期待される。このような風潮のなかで,分娩の安全性と快適性を向上させるために麻酔科医が果たすべき役割はますます大きくなっていくものと思われる。
本症例検討ではさまざまな産婦を想定し,無痛分娩を実践されている方々にその対策を示していただくとともに,無痛分娩の奥深さもご紹介いただいた。無痛分娩は決して硬膜外麻酔のカテーテルを挿入するだけではないこと “Labor analgesia is not just about epidurals” をご理解いただければ幸いである。
角倉 弘行